富士山、知ってるようで知らない顔:意外な歴史とトリビア【自然編】

日本人なら誰もが知っていて、外国人が日本を思い浮かべるときに「富士山」「サムライ」「天ぷら」と口にする、それが富士山!

でも、その雄大な姿以外は意外と知られていないことが多いと思いませんか?

実は、富士山は話のネタに最適な山なんです。ちょっとした富士山の豆知識を知っていると、きっと困らないはずですよ。

世界的に珍しいハリモミ林

富士山の麓には、世界的に見ても珍しい林が存在します。それがハリモミの林です。

マツ科の常緑高木であるハリモミ自体は珍しい樹木ではなく、混交林もいくつかありますが、ハリモミが単独で広がる林というのは非常に珍しく、その林は国の天然記念物にも登録されています。

湖底にハリモミ林が沈む山中湖

富士山周辺の池や湖の多くは、富士山の火山活動の影響を受けて姿を変えてきました。その変化は、新たな湖を生み出したり、既存の湖を分断したり、時には忍野八海のように湖を枯れさせる原因になることもあります。

その中で山中湖は、もともと「宇津湖(うつこ)」という湖が火山流の影響で生まれたものです。山中湖が形成される際、富士山の火山流によって水の流れが変わり、湖底にハリモミの林が沈むことになりました。

昔から利用されている富士山の風穴・氷穴

富士山には、まだ見つかっていない風穴や氷穴の洞窟が数多くあると言われています。今見つかっているもので有名なのは、山梨県にある「富岳風穴」と「鳴沢氷穴」です。

これらの洞窟は年間を通して温度が低く、平均気温は3℃前後。氷穴の中には大きな氷柱が存在しており、一年中自然の氷を見ることができます。そのため、かつては冬に集めた雪を保管し、夏に献上品として扱われていました。

富士五湖のワカサギ釣りは意外と新しい?

富士五湖の観光の一つとして、ワカサギ釣りが楽しめることで有名です。しかし、実はワカサギはほんの100年前まで富士五湖には生息していませんでした。もともとは1919年に茨城県から持ち込まれたものなのです。現在、釣られているワカサギは、その後繁殖したものなんですね。

どのように忍野八海は誕生したか?

富士山の周辺にある8つの小さな池をまとめて「忍野八海」といいます。この池は富士山の湧水が吹き出る場所として有名です。もともとこの池の周辺一帯には「宇津湖」と呼ばれる大きな湖がありました。

その湖は富士山の火山活動によって流れ出た火山流で分断され、山中湖と「忍野湖」に分かれました。その後、忍野湖が枯れていき、忍野湖の湖底にあった湧泉が残ったのが現在の忍野八海となったのです。

忍野八海は「銚子池」「出口池」「湧池」「菖蒲池」「濁池」「鏡池」「御釜池」「底抜池」の8つで構成されており、これらの池はすべて国指定の天然記念物に指定されています。

富士山に現れる巨大な人影

日本の妖怪に「だいだらぼっち」という巨大な妖怪がいると言われています。その妖怪の足跡が湖になったという伝承も存在するほど大きな妖怪ですが、この妖怪伝説の原因の一つが「ブロッケン現象」によって広まったと言われています。

ブロッケン現象とは、太陽の光によってできる影が霧や雲に投影されることで、巨大な影が見える現象です。これが山の頂上にいる人によって発生し、それを見た人が勘違いしたとされています。

この現象は富士山でも観測されており、富士山でのこの現象の呼び名は「御来光(ごらいこう)」といいます。日没や日の出などに太陽を背にして立つと発生することがあり、後光のような光の環が浮かんで見えます。

まとめ

富士山の意外なトリビア、いかがでしたでしょうか?この記事をきっかけに、さらに富士山に興味を持っていただけたら嬉しいです。