サメと聞くと、多くの人が「海で最も危険な生物」や「映画でおなじみの存在」といったイメージを抱くのではないでしょうか。また、シャチやイルカ、クジラといった海洋生物と同じ哺乳類だと思っている人も意外と多いかもしれません。しかし、サメは私たち人間とは異なる「軟骨魚類」に分類されます。大まかに言うと、エラが体の側面にある魚の総称ですね。
シャチとの大きな違いは「尾びれ」
難しい話は置いておいて、シャチやイルカとの簡単な見分け方をお伝えしましょう。それは尾びれのつき方です。サメの尾びれは縦についているのに対し、シャチやイルカの尾びれは横についています。これだけでも、彼らが違う生き物だと分かりますね。
魚なのに「交尾」するサメ
サメを漢字で書くと「鮫」となります。魚と「交わる」を組み合わせたこの字は、サメが交尾をすることから生まれたという説もあるほど。実はサメは、魚類としては非常に珍しく交尾を行うんです。
考えてみれば当然ですが、水中という不安定な場所で体を固定しながら交尾をするのは至難の業です。そのため、オスのサメはメスの体を噛みつき、海底などに体をこすりつけながら交尾を行うと言われています。メスの体が傷だらけになることもあるそうで、海の中でどのように体を固定するかが大きな問題であることがうかがえます。
お腹の中で赤ちゃんを育てるサメも!
世界には500種類以上のサメが生息していますが、その半分以上が体内で赤ちゃんを育てるという、魚としては非常に珍しい繁殖方法をとります。一般的に魚は卵を産むものですが、サメの中には受精卵を体外に出さずに、親の体内で孵化させる「卵胎生(らんたいせい)」という形式をとるものがいるのです。
卵胎生とは、体内で受精した卵が、親の体の中で孵化し、ある程度成長してから親と同じ姿で生まれてくることを指します。卵から孵るまでは卵黄の栄養のみで成長するため、鶏の卵と成長の仕方は変わりません。サメ以外にもグッピーやシーラカンスなど、一部の魚類や爬虫類、貝類でも見られる繁殖方法です。
サメの知られざる生態、いかがでしたでしょうか?彼らが単に「危険な魚」というだけでなく、非常にユニークで興味深い生き物だということが伝わったなら嬉しいです。





