現在、ビニールハウスで「土を使わない」画期的な方法でトマトを育てています。この方法で育ったトマトは驚くほど糖度が高く、一般的なトマトと比べて糖度が「3」も違う、まさに別次元の味わいです。
今回は、メビオール株式会社が開発した「アイメック農法」と、これからの日本農業が目指すべき姿について考えてみました。
植物の「生きようとする力」を引き出すハイドロゲル
この農法の鍵となるのは、ハイドロゲルで作られた「アイメックフィルム」です。トマトの根はこのフィルムの上に広がり、フィルムに含まれるわずかな水分を吸い上げようとして、非常に細かく高密度な根を張り巡らせます。
あえて水分を制限するストレスを与えることで、トマトは必死に糖分を蓄え、あの濃厚な甘みが生まれます。土を使わず、フィルム一枚でこれほどのクオリティを実現し、さらに他の野菜にも応用可能というこの技術には、無限の可能性を感じます。
「高品質」という壁と、世界市場の現実
しかし、経営的な視点で見ると課題も見えてきます。現在のアイメック農法で作られたトマトは、手間とコストがかかる分、販売価格も高くなりがちです。残念ながら、オランダのように「狭いスペースで、安く、大量に作る」という大量生産型の技術とは方向性が異なります。
日本では「多少高くても美味しいものを」という層がだんだんと減りつつあります。TPPなどの国際的な市場変化に対応していくためには、日本独自の高品質路線を守りつつも、海外の合理的な大量生産技術を貪欲に真似していく必要があるのではないでしょうか。
最新技術の掛け合わせが農業を救う
アイメック農法の素晴らしい点は、水に溶かす栄養量さえ分かれば、農業経験が浅い人でも比較的簡単に始められることです。ここに、太陽光や水分量をAIで管理する『ゼロアグリ』のような自動潅水・施肥システムを掛け合わせることができれば、農業はもっと「楽に、確実に」稼げる仕事になるはずです。
「アイメック」が作る極上の味と、「ゼロアグリ」が実現する徹底した効率化。この二つが融合したとき、日本の農業は世界と戦える真の強さを手に入れられるのではないでしょうか。
最新技術を味方につけ、いかにして「美味しくて安い」を実現するか。ブドウ農家としても、非常に刺激を受ける挑戦が続いています。






