普段何気なく使っている言葉でも、ふと「これってどういう意味だっけ?」と疑問に思うことはありませんか。
今回は、「書評」という言葉の意味がふと分からなくなり、似たような言葉と一緒に調べてみた結果から考えた、本や漫画のレビューのあり方についてのコラムです。
「評」がつく言葉の定義を調べてみた
まずは、辞書的な意味のおさらいです。
- 書評:書物について、その内容を紹介・批評した文章。
- 批評:よい点・悪い点などを指摘して、価値を決めること。客観的に論じること。
- 論評:ある物事の内容・結果などを論じ、批評すること。
- 評論:物事の価値・善悪・優劣などを批評し論じること。
本の裏の「あらすじ」は立派な書評なのか?
書評は「人に本を紹介するための書き方」ということで良さそうです。ただ、ここで一つの疑問が浮かびました。
「内容を紹介するだけなら、本の裏表紙に書いてある『あらすじ』も立派な書評ということになるのだろうか?」
厳密に言えば、本の裏のあらすじは出版社が本を売るために書いた「宣伝文句」であり、第三者による客観的な評価(おすすめする理由など)が含まれていないため、書評とは少し違うのでしょう。
しかし最近読んだネットの書評は、あまりにも内容(あらすじ)が詳細に書かれ過ぎていて、結末以外はすべて分かった気になってしまうものが多い気がします。
結末すら容易に想像できてしまうため、「もう読まなくていいかな。機会があれば図書館か本屋の立ち読みでいいや」という気持ちにさせられてしまうのです。
『ニッポンの書評』著者の見事な矛盾
そんなことを考えながら、『ニッポンの書評』という本を読んでみました。
この本の作者は、「ネタバレはしてはいけない」という意見を延々と書かれており、ついでに「ネットの書評は批判ばかりなので価値なし」と受け取れるようなことまで書いていました。
しかし面白いことに、この作者自身の書評も見事なもので、読んでいるとなんだか本編を読んだ気になってしまうのです。
映画の予告編で一番いいシーンを全部見せられて、本編の70%ぐらいを分かった気にさせられ、「もう本編は見なくていいや」という気分にさせるアレと同じ現象です。
「この人、自分で『ネタバレはダメだ』と言っている割に、結構ネタバレ書いてるな……」
そんなツッコミを入れつつ読み進めていると、内容がだんだんと「書評」というより「批評」のような言い回しになってきたため、改めてこの2つの言葉の違いが気になり出したというわけです。
結論:書評と批評の境界線
色々と調べ、考えた結果、私の中では以下のように結論づけました。
「書評」は、本の内容を紹介し、読者に興味を持ってもらうためのもの。
「批評」は、その本の良い点と悪い点を客観的に論じ、評価を下すもの。
人に本をおすすめする文章を書く時は、ネタバレで「読んだ気にさせてしまう」ことのないよう、絶妙なバランス感覚が必要ですね。





