「男性の服装を、女性が選んであげる」というサービス。以前から面白い商売になるのではないかと考えていたのですが、調べてみると2016年にすでに同じようなビジネスを立ち上げていた会社がありました。

今回は、その会社の事例から見えてきた「ニッチな商売を成功させる難しさ」についての考察日記です。

LLIKS株式会社の挑戦と、早すぎる停滞

見つけたのは「LLIKS株式会社」という会社です。しかし、2019年現在の状況を確認してみると、公式HPは消失しており、Facebookの更新も2016年段階で止まっていました。どうやら、かなり早い段階で事業を断念してしまったようです。

「面白そうな商売なのに、なぜ上手くいかなかったのだろう?」と気になり、当時のニュースリリースなどを探してみましたが、情報はほとんど見つかりませんでした。おそらく、世間へのPRが圧倒的に足りていなかったのではないでしょうか。

ターゲット層を間違えていなかったか?

当時のクラウドファンディングの情報や、紹介されていたニュースサイトのトーンを見ていると、ある仮説が浮かんできました。それは「ターゲット層を完全に間違えていたのではないか」ということです。

本来、このサービスを熱狂的に必要とするのは、自分のお洒落に自信が持てない層、例えばアイドルファンや、いわゆる「オタク層」の方々だったのではないでしょうか。

しかし、当時の情報を見る限り、彼らがアプローチしていたのは「元からある程度ファッションセンスが磨かれている人たち」や、いわゆる「パリピ」的な層が好む媒体ばかりだったように思えます。自分でお洒落を楽しめる人なら、わざわざお金を払わなくても彼女や友人に選んでもらえば済む話ですから、これでは需要が生まれません。

「安心感」と「お墨付き」を売るビジネス

もし、狙うターゲットを「この服を着てみたけど、本当に似合っているか自信が持てない」という不安を抱えた層に絞ってPRできていれば、結果は違ったかもしれません。

女性と一緒にショップへ行き、「それ、すごく似合ってますよ!」と客観的なコーディネートをしてもらう。それは単に服を買うだけでなく、女性からの「お墨付き」という安心感を買う体験になります。これこそが、自信を持てない男性たちが最も喜ぶ付加価値だったはずです。

まとめ:ニッチな商売ほど「誰に届けるか」が命

たとえ東京のような分母の大きい市場でも、成功しないサービスには必ず理由があります。今回の事例は、どれだけコンセプトが面白くても、ターゲット設定を誤ればニッチな商売は成立しないという、非常に学びの多い教訓でした。

3年経った今だからこそ言えることかもしれませんが、どんな商売も「本当に困っている人は誰か」を見極めることが一番大切ですね。