1日の大半を肉体労働で過ごしている私にとって、体は常に動いていても「耳」は意外と暇をしています。

もちろん仕事には集中していますが、慣れてくると肉体の作業から意識がだんだんと切り離されていくので、頭の方にはある程度の余裕ができるのです。早い話が、頭は「暇」を持て余している状態でした。

ラジオの代わりに「積読本」を聴くという選択

最初はラジオなどを聞き流していましたが、それほど楽しくない。そこで思いついたのが、Kindleの読み上げ機能を使って「積んでいる本」を消化することでした。安売りされていた時に、ついつい買い込んでしまった本たちがようやく日の目を見る時が来たのです。

活用したのは、Androidスマホの標準機能である「TalkBack(トークバック)」。これが意外なほどに便利なのです。

  • 読み上げ速度を自由に変更できる
  • 音声の高低(ピッチ)を調整して聞き取りやすくできる
  • 英語の本だってスラスラ読んでくれる

この機能のおかげで、仕事中の「耳の隙間時間」が豊かな読書タイムに早変わりしました。……しかし、これには大きな問題もあったのです。

数字の読み上げに内容が頭に入らない!

まず困ったのが「数字」の読み上げです。例えば「1000」と書いてあると、普通は「せん」と読んでほしいところですが、TalkBackは律儀に「いち、まる、まる、まる」と一桁ずつ分けて読み上げることがあります。

数字が頻繁に出てくる実用書や経済本だと、この「まるまる攻撃」のせいで内容が全く頭に入ってこなくなるのです。

最大の敵は、漢字の読み間違い「まさよし」

そして、一番の問題は漢字の誤読です。これがもう、耐えがたい笑いを誘ってくるのです。

例えば「正義」という言葉。もちろん文脈的には「せいぎ」と読んでほしいのですが、TalkBackは毎回頑なに「まさよし」と読み上げます。

著者が熱く「正義(せいぎ)」について語っている真面目な本を聴いていると、耳元ではひたすらにこう繰り返されます。

「まさよし」とは何か……。
私たちは「まさよし」を貫かねばならない……。
「まさよし」なき社会に未来はない……。

もう、心の中で笑いが止まりません。こちらは大真面目に高尚な話を聞こうとしているのに、脳内では見知らぬ「まさよしさん」の顔がチラついて離れないのです。このシュールな面白さは、実際に体験してみないと伝わらないかもしれません。

まとめ:誤読も含めて楽しむ「聴く読書」

漢字の誤読や数字の読み上げなど、AIならではの不器用さはありますが、それでも肉体労働中の暇つぶしとしてはこれ以上ないほど便利です。皆さんも、もし「まさよし」の連呼に耐えられる自信があれば、ぜひ試してみてください。