キューバ産の王様、コイーバ(COHIBA)。その名を冠したドライシガー『クラブシガリロ』は、10本で1700円前後。10分程度の短い休息に投じるには少々勇気のいる価格ですが、果たしてその価値はどこにあるのでしょうか。私の個人的な「好み」というフィルターを通した結果は、意外なものでした。
枯草の香りと、忍び寄る「痛み」
火をつけると、酸味とコクが混じり合った膨らみのある香りが広がります。イメージとしては、枯草を焼いた時のあの独特な刺激を、少しだけ上品に、緩やかにしたような感覚です。香りの強さそのものは、ブランド名から想像するほど主張の激しいものではありません。
しかし、吸い進めるごとに感覚は変容していきます。最初は軽く感じていた煙が、中盤を過ぎる頃には舌や喉の上に「痛み」に近い刺激を伴い始め、それがいつしか重厚な苦味へと姿を変えていくのです。鼻を通る際にも、しびれるような独特の感覚が残ります。
| 項目 | 評価・感覚 |
|---|---|
| 香り | 酸味とコク、そして枯草を焼いたような穏やかな刺激。 |
| 吸った後の感覚 | 喉の奥(喉ちんこ付近)がじわじわと圧迫されるような強い刺激。 |
| 点数 | 62点 |
刺激のあとに訪れる「驚くべき潔さ」
驚いたのは、吸い終わった後の後味です。吸っている最中にはあれほど喉を圧迫し、舌を刺激していた煙ですが、ひとたび火を消せばその余韻は驚くほど早く引いていきます。カフェオレを口に含んでもほとんど違和感がなく、タバコの後味が飲み物の邪魔をすることがありません。
喉の奥に残る「苦味のようなコク」を10分間だけ楽しむ、まさに大人の贅沢。しかし、私の趣味としては、この不思議な風味を常用するには至りませんでした。名門の味を知る、という経験にはなりましたが、1700円という価格を考えると「巡り合わせ」は一度で十分かもしれません。

