最近流行りのスリムシガーから、今回は『チャップマン・スーパースリム・バニラ』を手に取りました。しかし、この細いシガーには一つ大きなルールがあります。それは「決して勢いよく吸わないこと」。ゆったりと向き合わなければ、香りを楽しむ暇もなく一瞬で灰になってしまうからです。
甘い「擬態」と、その裏にあるコク
火をつける前から、まるでチョコレートのようなカカオの香りが漂います。フィルターにはバニラ風味の甘みがつけられていますが、正直なところ、この甘さは私にとって少々過剰でした。フィルターの香りが消えてくる頃にはようやく落ち着いたコクが現れるのですが、その時にはもう、シガーの半分を吸い終わってしまっています。
「拭いて吸う」という奇妙な解決策
「この甘さがなければ……」と思い、試しにフィルターを少し拭いてから吸ってみると、これが意外にも美味しい。皮肉なことに、本来の売りであるはずの甘みを削ぎ落とすことで、ようやく自分好みの味に近づくという皮肉な結果になりました。しかし、450円を払って毎回その手間をかけるかと言われれば、実に微妙なところです。
| 項目 | 評価・感覚 |
|---|---|
| 香り | ミルクチョコから、カカオを燃やしたような甘ったるい香りへ変化。 |
| 舌の感覚 | 極めて軽く、刺激も薄い。吸った後は唾液が出るような甘みが残る。 |
| 製造国・点数 | ドイツ製・55点 |
濃厚なカフェオレをお供に
この甘ったるさと付き合うには、飲み物にも相応の強さが必要です。カフェオレのような味の濃い飲み物であれば、シガーの個性に負けることなく、互いのコクを引き立て合ってくれるでしょう。逆に、繊細な飲み物はすべてバニラに上書きされてしまうかもしれません。
甘すぎる誘惑を拭い去って、ようやく顔を出す本来の味。その手間を愛でるべきか、次はないと割り切るべきか。雨の日の商店街で迷い込んだあの蕎麦屋のように、一筋縄ではいかない一服でした。

