トラクターの後ろに機械を設置すると勝手にマルチができるという便利な機会があるおかげで手動ですることはなく簡易に黒マルチを張ることができる。

※黒マルチは畝の上に黒色のビニールを張って草が生えないようにすることができる。

さて、黒マルチをすることでビニールがかかっている場所には草は生えない。移植した野菜だけが成長してくれるので雑草の除去の手間が格段と少なくなる。終わった後の片付けもそれほど難しくはない。引っぺがして処理場にもっていけば終わりだ。

農業の戦いは半分は草との戦いといってもいい。

取っても取っても生えてくる雑草をどう処理するかが一番手がかかることなのだが、マルチをすることでこれがかなり軽減される。

なんと便利な!!

世の中メリットもあればデメリットもある。

黒マルチには大きな欠点がある。

天候だ。

天候の影響を大きく受けるのだ。植物を育てるとき大抵が雨が降らなければいいと思ってしまう。農作業もできないし降りすぎると植物の成長にも悪影響を受けて大きくならない。

もちろん降らないければ困るので適度な雨を期待してしまう。世の中は都合よく動かない。適量という気持ちは汲んでもらえずに雨が降らなかったり大雨が続いたりする。

最近では天候が安定しないために暑すぎたり、雨が降り続けたりと年ごとに植物の管理が難しくなっている。

そんな天候の中、黒マルチも天候に左右される。

黒マルチ利点は草の抑制と熱だ。熱とは黒マルチをした箇所は地熱が少し上がるために植物を少し時期が外れたタイミングでも育てることが出来る。

さて、草の抑制の話はしたが黒いビニールがかかった場所は雑草が生えても太陽の光が当たらないために大きく成長しないために雑草に対しての手間がかからない。

ビニールが覆いかぶさって太陽光と水を雑草に届かないようにしてくれる。太陽光と水が届かない雑草の種はほとんどが発芽しない。

この便利さの代償として黒マルチは本来育てたい植物への水も弾いてしまう。移植した植物が必要としている水が確保できないためにうまく生育しない場合がある。

場合があるという言葉を使うのは知り合いの農家で黒マルチをして黒豆を育てた人がいる。その年は天候が悪く雨の量が例年に比べるとかなり少なかった。その影響か収量は例年の3分の2まで落ちた。

この知り合いの農家から直線距離3kmほど離れた人がいる。この人も同じ年に黒マルチを利用して黒豆を植えた。この人は例年よりも多いい量の黒豆を収穫している。

この2人の違いは肥料の量の違いはあるが、一番は土の性質の差が出たように思われる。少量の雨でも土のなかに水分を保持できていた田んぼでは悪くない収量があったが水はけがよすぎる田んぼでは生育もよくなかった。

この問題は自分がどのような田んぼや畑で植物を育てているかを考えずに黒マルチをする前にするいくつかの畝で試してみて経験しないとわからないものなのかもしれない。

草刈りの手間が減ると安易に考えるのではなく、そこから起きるデメリットも考えたうえで黒マルチは使うかを決めないといけない。