テレビをつけて流れてくるニュース解説を眺めていると、時々その内容があまりに滑稽で、思わず吹き出しそうになることがあります。特に、遠い異国の出来事を語る時の「テレビの住人たち」の姿は、ある種の芸人さんよりも面白いものです。
フランスの決断と、画面の中の絶賛
最近、フランスで激しいデモが起き、その結果として政府が燃料税の引き上げを撤回したというニュースがありました。これを受けたスタジオのコメンテーターたちは、異口同音にこう叫んでいました。
「燃料税を撤回させるなんて、フランスの民意はすごい!」「日本なら、絶対にありえないことだ!」
その興奮気味な様子を眺めていると、皮肉な面白さがじわじわと込み上げてきます。
自国の「空手形」は、見えないふり?
「日本ならありえない」と嘆いてみせる彼らですが、そもそも日本という国は、選挙期間中に声高に叫んでいた公約を、いざ勝てば「真逆のこと」として平然と実行するような国です。国民もそれを「いつものこと」として受け流すことに慣れきってしまいました。
それなのに、自分たちの足元で起きている政治的な矛盾や、公約という名の空手形には一切触れず、あたかも自分たちは「正解」を知っている高潔な観客であるかのように振る舞う。この「平然と他人事として語れる能力」は、もはや一つの才能と言ってもいいのかもしれません。
ニュースは「ネタ」として観るのが正しい
もしテレビに論理的な正論や、血の通った議論を期待して見れば、あまりの理不尽さに腹が立ってしまうでしょう。しかし、「これは壮大なネタなんだ」というフィルターを一枚挟んで眺めてみれば、これほど良質なエンターテインメントは他にありません。
自分たちの矛盾を棚上げにし、綺麗事だけを並べて視聴者の感情を煽る。その姿を「お笑い番組のワンシーン」として捉えることができたなら、世の中は少しだけ穏やかに見えてきます。情報を鵜呑みにせず、一歩引いて「この人たちは、今度はどんな矛盾を語るのだろう?」と観察する。そんな斜め上の楽しみ方を、改めて実感した今日この頃でした。





