外は寒く、何もする気が起きない日。そんな日は暖かい布団に潜り込み、お酒を片手にドキュメンタリー映画を鑑賞するに限ります。

今回は、Netfixで配信されている「事実は小説よりも奇なり」を地で行く、強烈な2作品についての感想です。

『イカロス』:自転車レースの闇と国家の陰謀

まずは、自転車競技におけるドーピング問題に切り込んだ『イカロス』。自転車好きの私としては、憧れの選手がドーピングをしていたという事実に、まず大きなショックを受けました。

「50回以上も検査を受けていて、なぜ一度も発覚しなかったのか?」
そんな疑問から、監督自身が自らの体を使って「薬物使用の前後で、過酷なレース『オート・ルート』の成績がどう変わるか」を検証し始めます。しかし、この挑戦は映画のたった4分の1。そこから物語は、スポーツの枠を超えた国家ぐるみの巨大な隠謀へと急展開していきます。30分を過ぎたあたりからの「事態の激変」には、開いた口が塞がりませんでした。

『ビハインド・ザ・カーブ 地球平面説』:なぜ彼らは信じるのか

もう一本は、現代のアメリカで「地球は丸くない、平らなんだ!」と主張する人々を追った『ビハインド・ザ・カーブ 地球平面説』です。

「おいおい、バカなことを言うなよ」と笑うのは簡単ですが、驚くべきは、そのコミュニティが数万人規模に膨れ上がり、見識も教養もあるはずの人々までが本気で平面説を信じているという現実です。

映画を通して見えてくるのは、単なる科学的知識の欠如ではありません。そこには、「既存の社会への不信感」「孤独」「自分たちは真実を知っている特別な存在でありたいという承認欲求」といった、複雑な人間心理が絡み合っています。彼らにとっての平面説は、一種の救いであり、居場所なのだと感じさせられました。

まとめ:一番面白いのは、やはり「人間」

今回観た2本に共通しているのは、どちらも「頭がおかしい(と言われかねない)情熱を持った人たち」が出てくる面白さです。

ドーピングをしてまで勝ちたい執念や、証拠を突きつけられても平面説を曲げない頑固さ。そんな人間の滑稽さや恐ろしさを、お酒を飲みながらじっくり観察できるのは、寒い日の最高の贅沢かもしれません。

皆さんも、何もしたくない休日は、自分の中の常識を揺さぶるドキュメンタリーの世界に浸ってみてはいかがでしょうか。