山の彼方に雲がかかった、ぼやけた冬の風景。そんな景色を眺めていると、一瞬だけ目の前の現実を忘れさせてくれるような、穏やかな心地よさを感じます。

……しかし、現実はそう甘くはありません。今回は、避けては通れない「車検」という名の高額な出費と、世界の車検事情についてのお話です。

日本の車検が高い正体は「税金」にあり

今回、車を車検に出しましたが、何事もなくてもどうしても10万円近いお金が飛んでいきます。実は、車検の「検査そのもの」の値段は、それほど高くありません。

負担を重くしているのは、車検と同時に徴収される「自動車重量税」という名の高い税金です。さらに「自賠責保険」も強制的に取られます。万が一の事故を考えれば必要かもしれませんが、これら法定費用の存在が、日本の車検を海外に比べて割高にしている大きな要因です。

ドアがなくても走れる?世界の驚きの車検事情

少し調べてみると、世界の車検事情は実に様々で面白いものです。

  • アメリカ:国としての車検制度はなく、州によって異なります。車文化が根付いているため「動けばいい」という考えが強く、中にはドアが取れかかった車が平然と走っている州もあり、その自由さには驚かされます。
  • イギリス・台湾:日本と同じように車検がありますが、基本的な料金が非常に安く設定されています。
  • スイス・イタリア:地域によっては自分たちで整備することが前提となっている場所もあり、自己責任の重さが伺えます。

こうした国々の「合理的な安さ」を知ってしまうと、やはり日本の「とりあえず税金」という仕組みには疑問を感じずにはいられません。

「車がいらない地域」で作られるルール

車社会の地方で生きる身としては、この税金だけでもどうにかしてほしいと思う今日この頃です。

しかし、こうしたルールを作っているのは、自分たちで車を運転しなくても生活に困らない、公共交通機関が発達した「東京」に住んでいる人々です。彼らにとって車は「贅沢品」あるいは「不要なもの」なのかもしれませんが、地方では文字通りの「足」なのです。

都会の基準で決められるルールが、地方の生活を圧迫し続ける。そんな構造がある限り、車検の負担が軽くなる日は遠いのかもしれません。山並みの美しい景色に逃避したくなる気持ちを抑えつつ、また次の車検に向けて貯金をする日々が続きます。