普段はそれほど繊細な方ではありません。しかし、無理が重なったせいか身体が熱を持ったような感覚になり、あらゆる刺激に対して過敏に反応してしまう……そんな夜があります。
今回は、神経が逆立つ深夜に現れた「季節外れの訪問者」との、奇妙な戦いについてのお話です。
静寂を切り裂く、11月の異音
身体の過敏さのせいで小さな物音も気になり、入眠からわずか3時間ほどで目が覚めてしまいました。手洗いを済ませ、再び眠りにつこうとしたその時、この時期にはまず聞くはずのない音が耳元をかすめました。
ブ~~~~~ン……
ピタ、と音が消える。静寂が戻ったかと思えば、また、
ブ~~~~~~~~~~~~~~ン
あの不快極まりない「羽音」です。11月も半ばを過ぎて、なぜ今さら蚊の気配がするのでしょうか。
幻聴か現実か。連鎖する「痒み」の恐怖
不快な音を遮断しようと布団に潜り込んでも、なぜか耳の奥にはあの音が響き続けます。それが季節外れの蚊の実在なのか、熱を持った脳が見せている幻聴なのかは分かりません。
しかし不思議なことに、音が聞こえるたびに足の先や腕など、体のあちこちがムズムズと痒くなってくるのです。一箇所を意識すれば別の場所が痒くなるという、終わりなき感覚の連鎖。これではとても眠りにつける状況ではありませんでした。
布団の中で「スマキ」のまま耐える夜
灯りをつけて戦う気力もなく、かといって無防備に寝ることもできない。結局私が行き着いた防御策は、頭から足先まで完全に布団でくるまって「スマキ」の状態になることでした。
布団の重みと熱気、そして耳元を狙う見えない敵。痒みに耐え、不快な音に耳を塞ぎ、布団の中でじっと動かずに夜が明けるのを待つ……。それは、ある意味で非常に過酷な精神修業のような夜でした。
無理をすると身体のセンサーが狂ってしまうのだと、改めて痛感しました。今夜こそは静かな眠りが訪れることを、心から願っています。






