シガーの世界は、最初から最後まで同じ味とは限りません。今回手にとった『パンター・ミニニョン(PANTER MIGNON)』は、まさにその「変化」にどう折り合いをつけるかを試されるような一本でした。

半分までは「良客」、後半からは「野暮」

このシガーは、驚くほど癖がありません。火をつけてから半分ほどまでは、非常に穏やかで緩やかな刺激を楽しむことができます。しかし、中盤を過ぎたあたりから、少しずつ様子が変わってきます。

ゆっくりと吸う「クールスモーキング」を心がけても、後半になると苦味がじわりと顔を出し、喉には雑味が残るようになります。ニコチンによる血管の収縮を感じ始め、喉への刺激が気になりだしたら、そこがこの一本の終着点かもしれません。

項目 評価・感覚
燃焼性 1分ほど放置しても火が消えない。チャップマンよりは扱いやすい。
味わい 前半は癖がなく良好。3分の2を過ぎると雑味が喉を支配する。
点数 53点

初心者が手にするなら

癖のなさは魅力ですが、初めての体験としてお勧めするかと言われれば、私はもう少し価格帯が上の、質の高いシガーを最初に知ってほしいと感じます。もしこの『パンター』を吸うのであれば、無理に最後まで粘らず、雑味が気になる前に潔く火を消すのが、この一本と上手に付き合う「大人のマナー」と言えるでしょう。それでも十分に10分間の休息を味わうことができます。

消えた香りを追いかけて

ふとした瞬間に、昔吸っていた『PONPON』という銘柄を思い出しました。チョコレートの香りが心地よく、もっと素直に吸いやすかった記憶があります。今はもう見かけないあの香りを追い求めて、私のシガー選びの旅は、もう少し続きそうです。